『臥龍梅』 蔵便り   平成十五年神無月

拝啓 朝晩はめっきり冷え込んで いよいよ日本酒のおいしい季節となってまいりましたが 皆様お元気でお過ごしでしょうか。

9月から10月にかけて各地で日本酒の会が開かれ、忙しくあちこちへ跳び回る毎日が続きました。主だったイベントをざっと列挙いたしますと、8/31 仙台、9/7 東京、9/21 日光鬼怒川温泉、9/27 山口県下松市、10/1 沼津、10/5 東京 といった具合で週末ごとに出張しておりました。写真は9月7日に東京で開催された「静岡県地酒まつり2003 IN TOKYO」のものですが、このときは用意した1.8リットル壜10本があっという間に空になってしまい、反響の大きさにびっくりいたしました。顔なじみのお客様とお目にかかっても、お酒を注ぐのにおわれて満足にご挨拶をすることもできませんでした。改めましてこの場を借りて失礼の段をお詫び申し上げます。

心配されていた平成15年産水稲の8月15日現在の作柄等概況が9月1日付けで農林省から発表されました。グラフをご覧になると明らかなように、早場地域のうち北海道、青森、岩手、宮城の4道県が冷害の影響で「著しい不良」と報告されておりますが、当社が酒造好適米を購入する兵庫、富山、岡山、静岡の各県は「作況指数95〜98」の「やや不良」との報告でひとまずほっとしておりました。そうこうするうち、9月25日に酒米の第一陣、富山県産五百万石の55%精米のお米が入荷しました。現物を見るとまずまずの出来のようで再度胸を撫で下ろした次第です。

昨年11月からご案内してまいりました「臥龍梅」、最需要期を迎えたこの時期になって大吟醸から特別本醸に至る原酒がすべて完売してしまいました。ご愛好家の皆様にはご不自由をおかけしておりますが、先程ご報告したとおり、既に先月25日に米が入荷し、10月4日に杜氏以下蔵人が蔵入りし、7日に洗米着手しております。11月中下旬には搾りたての新酒を出荷する予定ですので、どうかそれまで楽しみにお待ちください。

深まりゆく秋、皆様ご自愛ご専一に。                          敬具

平成十五年十月十日 

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