「臥龍梅」蔵便り   平成十六年長月生産者の藤本さん、背景は山田錦


拝啓 初秋の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。さすがに朝晩はいくぶん涼しさを感ずるようになり、日本酒の恋しい季節となってまいりました。蔵でもそろそろ酒造りの準備にとりかかります。

そこで今回は、気になる稲の生育状況についてご報告いたします。当社が山田錦の栽培をお願いしている滋賀県近江八幡市の生産者、藤本さんから手紙が届きました。「5月19日の田植え後、天候に恵まれ生育は順調に進んでおります。現在、穂ばらみ期をむかえております。今後、生育も順調に行けば、10月上旬に稲刈りが行える予定です」とのこと。西日本を何度か台風が直撃し、ニュースで大雨による被害を聞かされて心配しておりましたが、写真でご覧いただけるように被害はなかったようです。今後も天候に恵まれ、無事に収穫できることを祈っております。「短かん渡舟」と酒米部会の皆さん
幻の酒造好適米「短かん渡船」ですが、こちらは酒米部会長の沢さんの手で試験栽培されています。写真は8月13日に役員会を開いた後、部会の皆さんが圃場に立見に行ったときのものだそうです。まだ穂の実っていないほうが「短かん渡船」です。「来期はもう少し多く作付け出来ると思います」とのこと。再来年あたりには何とか「短かん渡船」でお酒を仕込めるのではないかと思います。皆様もう少しお待ち下さい。

さて、これから清酒シーズンをむかえ、各種イベントが目白押しで予定されています。そのなかでもトップを切ってSSI様の東京支部の例会が開催され、当社は初めて参加してまいりました。8月22日の日曜日、東京は有楽町の国際フォーラム地下一階にある、清酒と焼酎のお店「宝」を借りきって開かれたものです。参加蔵元19社、商品の出展のみの参加蔵元30社、参加者80名、プレス関係者10社、SSI役員関係者25名でSSI東京支部役員の皆さんと、?き酒師の葉石かおりさん(中央)、会場内はまさに熱気でムンムンの状態でした。主催者のお話では、「これからも様々な催しを開催し、日本の酒 応援団 SSIとして頑張って参ります」とのことで、頼もしい限りです。

今月は、臥龍梅の冷やおろしの新製品を二種類発売いたします。ひとつは備前雄町を使った純米吟醸酒、もうひとつは兵庫県産五百万石(!)を使った本醸造酒、どちらも冷やによし燗によしのお酒で、味がのってきてちょうど飲み頃です。

涼風の候、おからだをおたいせつに。                         敬具
平成十六年九月吉日                               鈴木克昌

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