「臥龍梅」蔵便り   平成十六年霜月醸造祈願祭

拝啓 晩秋の候となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。ご承知のとおり、新潟県の中越地方では震度7の大地震が発生し、いまだに収まる気配がありません。更にこれから降雪の冬を迎えるとあって、被災地の皆さんのご苦労がしのばれます。私のもとに届いた情報では、17社の酒造会社が地震で被害を受け、うち7社は製造を再開できたものの、残りの10社は復興のめどがたたず、製造の再開は年明けになるだろうとのことです。当社の所在地である静岡県でも、以前から東海大地震の発生が予測されており、他人事ではありません。この場を借りまして被災地の皆様にお見舞い申し上げます。
さて、当社の近況をご報告いたします。
営業面では、10月1日に静岡センチュリーホテルで「静岡県地酒まつり」、3日に東京の椿山荘で「純米酒フェア」、15日に地元清水で「駿河路酒メッセ」、22日に東京のリーガロイヤルホテルで「五穀豊穣 美酒で乾杯」、26日にホテルパシフィック東京で「全国名醸蔵展示商談会」とイベントが続き、更に今月の滋賀県産山田錦
1日には地元FMラジオ局「マリンパル清水」の番組に出演と大忙しでした。どのイベントでも手ごたえは上々で、参加するたびにお取扱い店様が増え、臥龍梅の酒質が着実に認知されていくように感じております。
製造面では、まず、先々月の9月16日に、早稲品種の富山県産五百万石が原料米の第一陣として入荷しました。先月、10月5日の大安吉日には、今年も菅原杜氏以下5名の蔵人が蔵入りし、7日にその五百万石の洗米に着手、16日に1号の純米吟醸の仕込みを留めました。その間、8日には市内栄松院の住職を蔵に招いてご祈祷をお願いし、醸造祈願祭を執り行っております。
原料米関係では、天候に恵まれ例年以上の良質米が収穫できたとの報告とともに山田錦の稲穂が滋賀県のJAグリーン近江酒米部会長の沢さんから送られてきました。山田錦がいかに長尺品種か、身長177cmの神谷が持った写真でおわかりと思います。測ってみたところ、145cmありました。気がかりなのは岡山県の方で、備前雄町の品種は季節外れの台風の影響で倒れて発芽してしまったところもあるようです。菅原杜氏と当社スタッフ 駿河路酒メッセにて
製造のご報告にもどりますと、11月5日現在で、仕込み11号の留めまできました。仕込み1号の醪は、アルコール度数15%、日本酒度−1.5までキレてきたところです。
例年どおり今月末には、お待ちかね、純米吟醸袋吊り雫酒を搾りたての生原酒で出荷できると思います。なにぶん数に限りのある商品ですのでお早めにご予約注文いただけますようお願い申し上げます。

向寒のおりから、どうぞご自愛ご専一に。                        敬具
平成16年11月吉日                                鈴木克昌

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