「臥龍梅」蔵便り   平成十七年弥生

拝啓 日ごとに暖かさを増し、だいぶ春めいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。春光天地に満ち、まさに生命が躍動する季節をむかえるわけですが、小生は毎年この時期になると気が重くなります。そう、花粉症に悩まされるのです。各種、鑑評会をひかえ、杜氏と一緒に出品酒の選定に取り組まねばならないのですが、花粉症のおかげで味覚も嗅覚も思うように働いてくれません。後先のことをろくに考えもしないで杉やヒノキを全国に植林させたお役人を恨みたくなります。
「臥龍梅」の花のほころぶさまを皆様にお見せしようと、先月来、三日とおかずにカメラを片手に清見寺のお庭に通っているのですが、なかなか咲いてくれません。樹齢300年以上ともなると、さすがに元気がなくなってくるのか、それとも自分は桜だとでも勘違いしているのでしょうか。ここ数年来、他の梅の花が散り落ち、桜が開花する頃になってようやく咲き始めるのが恒例となっています。なにしろ老木ですから、咲いてくれるだけでも感謝しなければいけないのでしょう。
いつか行ってみたら倒れていたなんてことがないようにと祈っております。そんな次第で、先月の約束を違えて恐縮ですが、今年はこんな写真でご容赦願います。
さて、今月の四日は、東京千代田区の東京會舘で開催された、「日本酒文化フォーラム主催 国際交流会」に参加してまいりました。参加蔵元は、北は青森県から南は鳥取県までの18社で、出席会員200名以上の大きなイベントでした。静岡県からの参加蔵元は当社のみで、今回で二度目になります。「臥龍梅」は大好評で、日頃からご愛飲いただいているお客様もおり、話が弾みました。首都圏でも確実に認知度がたかまっていると意を強くしました。「日本酒文化フォーラム」という団体は、「伝統ある日本酒文化の健全な伝承をめざし、棚田米の栽培を通じて地球温暖化防止に寄与し、日本酒文化の国際交流を推進し世界平和に貢献する」ことを目指すNPO法人です。ご興味をお持ちの方のために事務局の連絡先を記します。  
〒171-0021東京都豊島区西池袋3-23-7西池サンケイビル8F 
03-5958-3715
先月ご紹介した「銘酒を愛でる会」のホームページのアドレスが間違っておりました。お詫びして訂正いたします。正しくは http://hidarikiki.at.infoseek.co.jp/meisyu10 です。最後の数字を10にすると「臥龍梅」のページが出てきます。数字を00にすると10回分まとめて出てくるそうです。

ところで、滋賀県近江八幡の農家、藤本さんに山田錦を栽培してもらっていることを折に触れてはご報告してきましたが、その山田錦を使った純米吟醸酒をいよいよ今月から発売します。不作だった兵庫県に比べると米の出来が非常に良かったので内心期待していたのですが、今年の酒造好適米のなかでは一番の酒の出来です。是非ともお試し下さい。
早春の候、皆々様にはますますお元気で過ごされんことを。                 敬具
平成17年3月吉日                                 鈴木克昌

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