「臥龍梅」蔵便り   平成十八年卯月

拝啓 いつの間にやら春もたけなわとなり、桜前線が次第に北上している今日この頃です。皆様、もうお花見にはおでかけでしょうか。
さて、静岡県の農業試験場が新たに育成した酒造好適米、「誉富士 ほまれふじ」(静系88号)についてはこの蔵便りでも何度かご報告してまいりましたが、先月10日、静岡県内の酒造会社5社とともに県庁を訪問し、「誉富士」で仕上げた新酒を石川県知事に贈呈してまいりました。分刻みのスケジュール表に加えて知事室での着席配置図まで前もって準備されており、テレビ、新聞等マスコミ各社も詰め掛け、県知事を訪問するのがこれほど大仰なものになるとは想像もしておりませんでした。
その翌々週の19日には、静岡市のイベント会場グランシップで、静岡県の「こめ室」、経済連の共催による新酒のお披露目会が開催されました。会場には酒米生産者や地酒愛好会のメンバー、行政関係者が集まり、やはりマスコミ各社も詰め掛け、盛大なイベントとなりました。当社も他の5社と並んでブースを構えて「臥龍梅」の純米吟醸酒をふるまいました。出席したお酒の評論家が「臥龍梅」を高く評価してくれ、司会者のマイクインタビューに答えて「今年できた全国の新酒の中でも間違いなく5本の指に入る出来ばえだ」宣言してくれましたので、ひっきりなしにお客様が押し寄せて大変な忙しさでした。
こんな次第で「誉富士」の純米吟醸酒は県内でも注目を集め、引き合いが殺到いたしました。いつもながら早々に完売してしまい、お問い合わせいただいた皆様にはこの場を借りましてお詫び申し上げます。当社では「誉富士」で3本仕込みましたが、1本だけ特別本醸造に仕込んだお酒を壜火入、急冷して冷蔵庫に囲いました。秋口に冷やおろしで発売する予定ですので楽しみにお待ち下さい。

ところで、国内ではここのところ劣勢の日本酒ですが、アメリカ、ヨーロッパ等の海外では人気を呼び、ブームになっていると伝えられております。当社でもアメリカ市場からお呼びがかかり、このほど初出荷することになりました。「臥龍梅」の輸出としてはシンガポール、マレーシアに続いて三カ国目ですが、市場が大きいだけに楽しみです。苦労して作成した輸出用ラベルをご覧ください。
と、ここまで書いたところで嬉しいニュースが届きました。名古屋国税局主催第54回酒類鑑評会で「臥龍梅」が優等賞を受賞したことをご報告いたします。

今月は、お待ちかね「備前雄町」の純米吟醸酒と、当社では初めて使った「滋賀県産玉栄」の純米吟醸酒をご案内いたします。力強さの「雄町」、ふくよかさの「玉栄」、2種類の対照的なタイプの純米吟醸酒を是非とも引き比べてお試しください。
春暖の侯、ご一同様ますますお元気でお過ごし下さい。                   敬具
平成18年4月吉日                                 鈴木克昌 

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