拝啓 まさに酷暑と言うに相応しい毎日が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
8月と言えば夏休み、海や山へと行楽に出かける季節ですが、広島、長崎への原爆投下、終戦記念日等、痛ましい戦争の記憶を呼び覚まされる季節でもあります。太平洋戦争史上最大の激戦地だった硫黄島を舞台にしたクリントイーストウッド監督の「父親たちの星条旗/硫黄島からの手紙」が公開されて評判を呼んだのも比較的最近のことでした。そんな折り、地元、清水で「静岡海洋スクール」を経営する内海勝則さんが硫黄島へのヨットによる慰霊航海を成功させました。内海さんはこれまでにもわが国初の家族4人による太平洋、大西洋横断に成功するなど、数々の航海記録を樹立しております。5/31、愛船、巴流(パル)号を駆って清水港を出帆、6/6に小笠原 父島に到着。ところが父島到着直前に自動操舵装置が壊れてしまい、その修理に約2週間を要し、硫黄島到着は大分予定より遅れてしまいました。その上異常気象の影響からか、かなりの風雨の連続で、5m以上の高波も体験したそうです。それ
でも6/26には硫黄島に到着、海上で献花献酒して日米両国英霊を慰霊するという目的を達しました。船上でわが「臥龍梅」を献酒する内海さんの写真をご覧ください。2枚目の写真で「臥龍梅」の壜の前方に見えるのが有名な擂鉢山です。ちなみにこの時は一人でセイリングしていたので、揺れるヨットの上でカメラをセットして苦労して撮った写真だそうです。ちなみに内山さんは今年で67歳になられるそうですが、その情熱とバイタリティにあやかりたいものです。さて、次は麹屋の神谷からのご報告です。
 みなさま、どうも神谷です。今年も南部杜氏講習会に岩手まで行ってまいりました。この講習会、3日間みっちりといろいろな県や局の先生の話を聴いて学ぶわけですが、昨今の状況の変化、酵母や酒造米の開発、新しい研究などの最新の情報をおりまぜながらの講演でとてもためになります。では講習会で聴いた話を1つ。今までの日本酒の甘口辛口をあらわすものとして日本酒度がありましたが、どうもそれだけだと実際飲んでみた感じと違う酒も
多くあります。それで甘辛度というのが考えられて、式でいうと(甘辛度)=(ブドウ糖濃度)−(酸度)なんですが、この値が0.2以下なら辛口、1.9以上なら甘口などと分けられます。ブドウ糖(グルコース)も酸も直接味覚に感じるものなので、かなり飲んだ感じと甘辛度の数値は相関するようです。1つの指標としてこれから定着するかもしれません。(神谷)
 さて、8/1からいよいよ静岡県地酒まつりIN TOKYOのチケットが発売になります。ご希望の方は弊社まで電話でお申込みください。054-366-0839
 今月は生酒としては最後となる、備前雄町の純米吟醸をご案内いたします。熟成した雄町ならではの味と香りを是非ともご堪能ください。 
残暑の候、おからだには十分お気をつけられますよう。             敬具

平成19年8月吉日                           鈴木克昌


杜氏さんたちの講習風景

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