拝啓 いよいよ日本酒の美味しい季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
このところ汚染米の流通についてのニュースがマスコミをにぎわせて社会問題化しており、お米を原料とする清酒業界でも大問題となりました。当社では静岡県酒造組合を通じて全農から購入したお米か、契約農家から各地の農協を通じて購入したお米以外は使用しておりませんので、心配は一切ご無用です。
臥龍梅の裏ラベルをご覧ください。そこには原料米の産地と品種が表示されております。登録検査機関から、産地・品種・銘柄・等級などの規格について検査証明をもらったお米を使用した場合に限って許可される表示なのです。それにとどまらず、当社ではかねてから原料米のトレーサビリテイを追求し、契約農家からの買い付けを推進してきました。この蔵便りでもたびたびご報告してきたとおりです。どんな人が、どこの田んぼで作ったお米なのか、それを知ることで初めてお米の作り手の思いが伝わってまいります。厳しい価格競争にさらされているわが清酒業界の現況があるとはいえ、汚染米の流通は誠に残念なことです。

このところ何年か9月初めにはNYのお酒の会に参加するのを恒例としてまいりました。今年もそのつもりで楽しみにしていたのですが、直前になってどうしても行けなくなってしまい、取りやめることとなりました。残念がっておりますと、現地の業界雑誌、Chopsticks誌の営業の方が写真を送ってきてくれました。エンパイアステート・ビルデイングをバックにしたわが「臥龍梅 純米大吟醸」の勇姿をご覧ください。この秋NYで新発売する予定の商品です。

最近、日本酒関連の書籍が2冊出版されました。どちらにも臥龍梅が顔を出しております。1冊目は利酒師、やまはた のりこさんが書いた「利酒師がつくるおつまみ一行レシピ」(東京地図出版、1200円)。酒好きが大喜びしそうなお酒のおつまみが多数紹介されており、参考になります。2冊目は純米酒普及推進委員会委員長としても知られる漫画家、高瀬 斉さんが書いた「至福の味わいを究める日本の蔵元100人」(実業の日本社、800円)。小生も日本の蔵元100人の一人に選んでいただいて光栄です。

さて、今月は備前雄町を用いた純米吟醸酒のひやおろしをご案内いたします。秋の夜長に愉しむのにもってこいのお酒です。どちら様もお見逃しなきよう。
深まりゆく秋、皆様ご自愛ご専一に。                     敬具

平成20年10月吉日          鈴木克昌 

戻る