拝啓 晩秋の候となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
まず、製造関係のご報告をいたします。今年も10月1日の大安吉日に菅原杜氏以下蔵人が岩手から到着し、麹屋を務める本社の神谷と合流して蔵入りしました。10月4日には洗米に着手し、市内、栄松院のご住職を招いて醸造祈願のご祈祷をお願いしました。その晩は、通いで蔵のお手伝いをする女性陣や本社の面々も交えての楽しい懇親会です。毎年の恒例行事ですが、半年間にわたって寝食をともにして酒造りに励むわけですので、何と言ってもチームワークが肝心となります。和気あいあいで歓談している様子を見ておりますと、今年もまた必ずや美味しいお酒ができるものと思われました。まず、早稲品種の富山県産五百万石を用いた総米660kg仕込みの純米吟醸酒から製造してまいります。この蔵便りを書いている時点で、仕込み10号まで留めました。営業関係で飛び回っていてしばらく蔵を留守にしており、久しぶりに吟醸蔵に様子を見に行きますと、菅原杜
氏が1号のもろみを杓ですくって黙って差し出します。かなりの自信作なのでしょう。利いてみると、なるほど素晴らしい味と香りです。今月の10日過ぎには上槽する予定ですので、もう間もなく、お届けできると思います。
事務所に帰りますと、名古屋国税局から電話とのこと。監督官庁ですのでやはりちょっと緊張いたします。電話にでてみると鑑定官室からで、局主催の秋の鑑評会で当社の臥龍梅が吟醸の部と純米の部で優等賞をいただけるとのこと。しかも、吟醸部門の代表で賞状を受け取ってほしいので表彰式に出席できるかどうかという確認の内容でした。ということは、実質的に吟醸部門の首席ということです。二つ返事で出席のお約束をいたしました。このところ続けて代表で賞状をいただいておりますが、こういう名誉なことでしたら何度でも喜んでお引き受けいたします。

さて、日本酒関係の本が相次いで出版されており、先日も版元から一冊送ってきてくださいました。利き酒師の稲垣知子さんが書いた「お酒にしますか それともご飯?おかずおつまみ」という本で、日本酒好きが大喜びしそうなお料理の作り方を紹介した綺麗な本です。わが臥龍梅もちょっと顔をのぞかせておりますのでご一読ください。(文化出版局 税別価格 1,400円)

今月は先にご報告した、皆様お待ちかねの純米吟醸袋吊り雫酒をご案内いたします。ご注文をいただいた順に出荷してまいりますので、お早めにご注文ください。
向寒のおりから、どうぞご自愛ご専一に。                   敬具

平成20年11月吉日                   鈴木克昌

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